有酸素運動や筋トレで使われるエネルギーとは?

どうも!パーソナルトレーナーの本杉です。

人間が活動する為に必要なエネルギー源である糖質、タンパク質、脂質は食事から摂取します。

これらのエネルギー源は一旦体内に貯蔵され、必要に応じてATP(アデノシン三リン酸)という燃料を作り出す材料として使われます。

「ATP?コイツは一体何を言ってるんだ?」

はい、もう少し簡単に説明します。

ATPは車で言うところのガソリンです。

人間はこのガソリンを使用して日々活動しています。

有酸素運動や筋トレも同様にATPが使われます。

ただ、ATPを作り出すのにはいくつか種類と条件があるので、その辺を解説していきますね。

 

ATPの種類

ATPを作り出す工程は大きく分けて3つです。

1.ATP-PCr系(ホスフォクレアチン酸)
2.解糖系(グルコース、グリコーゲン)
3.酸化系(酸素を用いて糖質、脂質を分解
)

順番に説明していきますが、ここからはどうしても専門用語が多くなるので頑張って読んでくださいね笑

ATP-PCr系

ATP-PCr系(ホスフォクレアチン酸)は無酸素運動のエネルギーシステムで、筋に貯蔵してあるATPと合わせて約8秒間の高強度運動で使用されます。

なぜ約8秒間かというと、ATPは筋の中に約5秒間活動できる量しか貯蔵できず、そこからATP-PCr系を利用して3秒間活動できるATPを作り出します。

ですので、

(貯蔵してあるATP5秒間)+(ATP-PCr系で作ったATP3秒間)=8秒間

となります。

高強度運動が9秒以上になると、エネルギーシステムが主に解糖系へ移行します。

解糖系

解糖系は名前の通り、糖質(グルコース、グリコーゲン)を分解してATPを作り出します。

こちらも無酸素運動のエネルギーシステムで、筋トレや800m走などの高強度運動を約9秒~約2分間行う際の主要エネルギー源です。

解糖系の流れとしては、

1.グルコース、グリコーゲンが分解

2.ATPとピルビン酸になる

3.ピルビン酸は運動強度が高いと「乳酸」になり、低いと「ミトコンドリア」に運ばれる

となります。

解糖系は運動時間が約10分経過するまではエネルギー産生に大きく関与しますが、長時間行える低い強度の運動ではピルビン酸は乳酸に変換されなくなります。(エネルギーシステムが主に酸化系へ移行する)

酸化系

酸化系は酸素を用いてエネルギーを作り出します。

こちらは有酸素運動のエネルギーシステムですが、2~4分程度行える中強度の運動では無酸素運動のエネルギーシステム(解糖系)と同時に使われます。

4分以上持続して行える中~低強度の運動になると、解糖系のエネルギーシステムの関与は弱まり酸化系が優位になります。

酸化系の流れとしては、

1.解糖系で乳酸にならなかったピルビン酸がミトコンドリアに運ばれる

2.アセチルCoAという物質に変わる

3.TCA回路(クエン酸回路)を経て水素を生成

4.電子伝達系で酸素と結合して水になり、この過程でATPを生成

となります。

実際はもう少し複雑な構造ですが、なるべく簡単にいうとこんな感じの流れです。(これでも十分複雑ですね汗)

酸化系はミトコンドリアの数が多いほど生産能力が上がり、疲労耐性が高くなります。

ミトコンドリアの数を増やしたい場合は、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が有効です!

 

脂質代謝/酸化系

酸化系は糖質だけでなく、脂肪(遊離脂肪酸)も使われます。

この場合の流れとしては、

1.脂肪(遊離脂肪酸)がミトコンドリアに運ばれる

2.アセチルCoAという物質に変わる

3.TCA回路を経て水素を生成

4.電子伝達系で酸素と結合して水になり、この過程でATPを生成

となります。

基本的な流れはピルビン酸(糖質)と変わりませんね。

脂肪は主に安静時や2~10分以上継続できる低強度の運動で使われ、解糖系は関与しなくなります。

 

解糖系と酸化系はシーソーのような関係

解糖系と酸化系はシーソーのような関係で使われています。

酸化系はグルコース、アミノ酸、脂肪酸がカラダにある限り無限にエネルギーを作り出す優秀なシステムですが、構造が複雑なのでエネルギーを作り出すのに時間がかかります。

その為、運動強度がどんどん増すと酸化系だけではエネルギー供給が間に合わなくなり、解糖系のエネルギーシステムが関与します。

 

複雑だけど面白いエネルギーシステム

エネルギーシステムは運動時間や強度で使われ方が変わるので、頭の中で考えながら動いていたらパンクしそうですね。

でも実際は体内で自動的に行ってくれているので、本当にすごいシステムだなぁと感心してしまいます。

普通に生活していて特に必要な知識ではないですが、なんとなくでも憶えておいてもらえるとうれしいです。

自分が今何のエネルギーを使用して体を動かしているのか?

これが少しでも理解できていると、栄養の摂取方法やトレーニングのプランが組みやすくなりますよ◎

 

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